令和2年度 ふじ90号所載
冬晴れ
昨年(令和二年度)はコロナの影響で子どもたちとの虫取りができませんでした。例年の自分の採集も予定したようにはいきませんでした。ヘンな時代になりましたね。
友人知人を含めて、仕事上も人に会うことが減ったので、令和三年は寂しいお正月になりました。私は人に会うのは好きじゃないと思っていたのですが、会う機会がここまで減ると、寂しくなります。そのうえクリスマス前に猫のマルが死んだので、余計に寂しくなりました。そうかといって、友達に会いに行くのもはばかられる状況なので、仕方がないからパソコンの前に座ったきり、腰が痛くなりました。
毎日欠かさず散歩には出ます。午前八時を過ぎると、朝陽がさして、道が温かく感じられます。気温は低くても、太陽が出ていると、ほとんど春の感じです。陽光につられて散歩していると、いつもは通ることのない細い道を通ります。秋の間はまだ花が咲き残っていて、路傍で見慣れない花を見ると、スマホのアプリを使って、写真を撮って名前を調べます。本当に便利な時代になりました。コロナのおかげで、身近な自然を以前より丹念に観察するようになったと思います。
一月にはほとんどの草花も消えて、最後まで残っていたツワブキの黄色も消えました。天気のいい日にはマルが好んで日向ぼっこをしていた縁側に私が座って、マルの代わりをしています。たいへん気持ちがいいので、マルが好んでいた理由がよくわかります。秋晴れという言葉はありますが、冬晴れは聞いたことがありません。でも令和三年の一月は冬晴れの日が多くて、久しぶりに自宅を楽しめました。
若いときはさまざまなことに心を悩まし、あれこれ大変だっと思います。私は八十代の半ばに差し掛かっていますが、「しなければならない」ことが減って、人生が楽になりました。